法律上は、法定相続人に決められた割合を相続するようになるのですが、遺言書で、法定相続人以外の人へ財産を譲渡することや、遺産を相続人の一人に集中させることができます。但し、
遺留分に注意しないといけません。
また、遺言執行者を誰にするのか?誰が遺言書を保管するのかの問題も出てきます。遺言執行者とは、文字通り遺言の内容に従って、遺産を分ける人ですが、通常は相続人または信頼の置ける専門家(司法書士や弁護士等)が就任する場合が多いです。専門家に依頼した場合は、費用がかかりますが、遺言の内容を確実に実行してほしい場合や、内容が複雑な場合には、専門家に依頼した方が良い場合もあります。また、保管方法について、信頼のおける人に預けないと、もし亡くなった場合、遺言書の存在をなかったものにする相続人がいないとは限りません。
信託銀行に遺言信託をする場合には、遺言執行者、遺言の保管まで面倒をみてくれますが、遺言の保管に最初に多額の費用と年間の費用、遺言執行の最低報酬がかなりの金額がかかります。(例 某M信託銀行では、遺言書保管時に315,000円。遺言執行の最低報酬金額が1,575,000円かかります)
▼ 遺言書には主に3つの形式があり、様式は厳格に定められています ▼
1
自筆証書遺言
名前の通り、自筆で遺言書を書く遺言です。ワープロやパソコンで記載できません。
日付を入れて、自分の名前を署名し、印鑑を押します。認め印でもかまいません。封筒は必須ではありませんが、最期に封筒に入れて封印をした方がよいでしょう。訂正箇所があれば、できれば書き直した方が良いです。
・費用が安く済む。
・いつでも書き直しができる。
・相続開始後、家庭裁判所の検認が必要になる。
・要件を満たさないと有効な遺言書とならない場合がある。
・勝手に封印を開封すると罰金に処せされる場合もあります。
・遺言書が紛失したり、火事で燃えたりする危険があります。
・1通しか作成されないので、相続人が紛失したり、相続人が見つけることが来ない可能性がある。
自筆証書作成サポート 20,000円~
※書き方の指導から、内容のアドバイスも行います。
2
秘密証書遺言
誰にも知られたくないことを遺言書に書く場合は「秘密証書遺言書」を作る方法もあります。
秘密証書遺言書は、署名、捺印以外は、代筆やワープロでもかまいません。遺言書に捺印した印鑑と同じもので封印して、遺言者本人が証人2人を伴って公証役場に持参します。遺言書、印鑑証明書、費用が11,000円かかります。
秘密証書遺言書では遺言書が公証役場に保管されることはなく、作成したことだけが公証役場の記録に残ることになります。このため、紛失や内容の記載の不備の心配があります。また、遺言者が死亡したときには、遺言書の発見者や保管者は、家庭裁判所に秘密証書遺言書を提出して、検認手続きが必要です。相続人や利害関係者の立会いのもとで、開封することが義務付けられています。
・ワープロ書きもOKなので、長い遺言書を書くことができる。
・内容を秘密にできる。
・相続開始後、家庭裁判所の検認が必要になる。
・1通しか作成されないので、相続人が紛失したり、相続人が見つけることが出来ない可能性がある。
3
公正証書遺言
遺言書の中で、もっとも安全で確実なのが、公証人のもとで作成する「公正証書遺言書」です。
この公正証書遺言書は、内容が公証人によって確認され、原本が公証役場に保管されるため、紛失や偽造の心配がなく相続のトラブルを、未然に防ぐ手段として有効です。まず、公証役場において、遺言者と証人2人の立会いの場で、遺言者が口述した内容を公証人が筆記して遺言書を作成します。
なお、遺言者本人が病気などで、公証役場に出向けないときは、自宅や病院に公証人に来てもらうことができます。作成した公正証書遺言書の原本は、公証役場に原則として20年間保管されます。また、自筆証書遺言書や秘密証書遺言書のように家庭裁判所での”遺言書の検認”の手続きも必要ありません。公証役場に伴う証人2人については、相続に利害関係のある人は証人になることはできません。必要であれば、当事務所から、証人を用意できます。
・相続開始後、家庭裁判所の検認が不要。
・公正証書で遺言執行者を指定しておくと、預金の解約などで、相続の手続きがスムーズに行く事が多い。
・公証人への費用がかかる。
公正証書遺言作成サポート 50,000円~
※別途、公証人への費用が発生します。